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八墓村-第八章 絶體絶命(14)

時間: 2022-06-19    進入日語論壇
核心提示:私はそのとき、姉の春代もひょっとしたら、そのことを知っていたのではあるまいかと気がついた。まさか美也子がそのような恐ろし
(單詞翻譯:雙擊或拖選)

私はそのとき、姉の春代もひょっとしたら、そのことを知っていたのではあるまいかと気がついた。まさか美也子がそのような恐ろしい最期をとげようとは知らなかったであろうけれど、自分を殺そうとした人物、自分が小指を噛みきった相手が、だれであったかを知っていたのではあるまいか。いかに暗闇の中とはいえ、いかに口をきかなかったとはいえ、體と體が接觸すれば、そして口までふさがれてみれば、相手が男性か女性かぐらいわかったはずである。そして相手が女性だっとわかってしまえば、それがだれだか気がついたにちがいない。そうだ、姉は知っていたのだ。だからこそ、私が相手はだれかときいたとき、姉はあのようになぞのような微笑をもらしたのだ。さすがに名前を出すことははばかったが、小指を噛みきったことによって、十分復讐をとげたことを、姉は知っていたのにちがいない。そう考えてくると、その傷がもとで美也子が凄慘な最期をとげたというのも、姉の執念のように思われて、私はいまさらのように慄然たらざるをえなかった。

それから金田一耕助は、光のない眼でぼんやりと、あらぬかたをながめながら、こんなふうにこの話を結んだ。

「美也子の臨終は恐ろしいものでしたよ。ものすごいスリルでしたね。いいえ、美也子のためによりも、ぼく自身のために、美也子が死んでしまえば何もかも葬られてしまうでしょう。息を引き取るまえになんとかして告白を引き出さねばならない。しかも、ぼくにはなんの決め手もなかった。ただ臆おく測そくをならべたてるよりほかに知恵はなかった。あんな賢明な人だから、はじめのうち、あのひとは鼻の先でわらってましたよ。実際あれは一種の決闘でしたね。心理的というよりも気魄の決闘だったんです。だが、慎太郎さんの名前が出たとたん、あのひとは負けました。そこへぼくはつけこんだんです。あなたがこのまま黙って死ぬと、何もかも慎太郎さんが背負わねばならぬだろうと、私がハッタリをきかせたとたん、美也子は完全に降伏したんです。違う、違う! と美也子は必死となって叫びましたよ。それから、あのひと、つまり慎太郎さんは何も知らないことなのだ。私ひとりでやったことなのだ。こんなことが知れてしまえば、あのひとは私を軽けい蔑べつするだろう。私はあの人に何も知らさずに、本家を相続させたかったのに……そういってサメザメと泣くと、はじめて何もかも打ち明けたのです。悪い女ではありましたが、あのときの彼女の絶望的な嘆きを思うと、いまでもぼくは胸がしめつけられるようですよ」

美也子はすべてを告白すると、金田一耕助にたのんで、神戸へ電報をうって、諏訪弁護士を呼びよせたそうだ。諏訪弁護士は翌朝著いた。彼女は弁護士に後事を託して息を引き取ったのである。それは私が洞窟から救い出された日のことで、さすがに彼女も息を引き取るまで、私の安否を気づかっていたという。

「さあ、これで萬事、話は終わったようですな」

すべての話が終わって、一同が思い思いの感慨にふけっているときである。突如、席の一いち隅ぐうから陽気な聲をあげたものがあった。諏訪弁護士であった。

「話がすんだら、ひとつ飲みほそうじゃありませんか。どうも陰慘きわまる話で、気が滅め入いっていけない。何かこう、心の明るくなるような話はありませんか」

そういう諏訪弁護士の眼には、涙が白くひかっていた。かれは美也子が好きだったのだ。

その心根を察して、一座の気をかえるために、膝を乗り出したのはかくいう私であった。

「それでは僭せん越えつながら、ぼくが話をしましょう。金田一さん」

「はあ」

「あなたはこのあいだぼくに、あまり驚かないようにと注意してくださいましたね。そういえば、ぼくはこっちへ來て以來、驚かされることばかりでした。だから最後に、こんどはぼくが皆さんを、あっと驚かせてあげようと思うのです」

何をいい出すのかと一同は怪け訝げんそうに私の顔を見ている。私は典子と顔見合わせて微笑した。さすがに私の心はおどり、舌が少し上ずった。私はビールをのんで気をしずめると、いくらか気取った調子でこういった。

「金田一さん、あなたはさきほど、埋められた財寶の伝説は、まんざら夢物語ではないらしいとおっしゃいましたね。そうです。夢ではありませんでした。私はそれを発見したのです」

突然、一座がざわめき出した?;イい祟啢蛞姾悉铯护?、大丈夫かいといったような眼の色だった。私はまた、典子と眼を見交わせて微笑した。

「皆さん、御心配には及びません。私はけっして気が狂ったのでも、夢を見ているのでもないのです。私が今夜諏訪弁護士をこの席にお招きしたのも、このことをお願いしたかったからです。埋もれた財寶を発見した場合、その所有権はどうなるのか、また、どういう法的手続きをとったらよいのか、私には少しもわかりません。だから、このこといっさいを、諏訪さんにお願いしたいと思うのです。なお、ついでながらここで発表させていただきますが、私は典子と結婚しました。あの洞窟の中で、……さあ、典子、皆さんにあの黃金をお眼にかけたら……」

典子が立って床わきの地袋をひらき、それからおびただしい大判を取り出したとき、そこにどのような歓聲と拍手のあらしが起こったか、そのことは改めて述べるまでもあるまい。


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